[ソウル 29日 ロイター] - 韓国サムスン電子は29日、第2・四半期の業績について、半導体事業の利益が拡大する一方、モバイル事業の利益は落ち込むとの見通しを示した。
半導体事業については「サーバー向けの力強い需要を背景に市場環境が改善」し、その他のアプリケーションによる需要も堅調に推移していることから、利益が「大幅」に改善すると予想。
モバイル事業に関しては、一部の部品の供給問題や主力のスマートフォンの販売減少により、利益と売上高が前期比で落ち込む見込みだとした。
第1・四半期に寒波で閉鎖された米テキサス州オースティンの半導体工場はフル稼働を再開しているが、モバイル端末向けプロセッサーなどのロジックチップの設計を手掛ける同社のシステムLSI事業は第2・四半期も引き続き生産停止の影響を受ける見通しという。
同社は、システムLSI事業の生産能力を確保するため、外部のファウンドリー(半導体受託生産)の利用を拡大するとともに、自社ファウンドリーとの連携を強化する計画だとした。また、現在の世界的な半導体不足は下半期も続く可能性があると指摘した。
ケープ・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、パク・ソンスン氏は「サムスン電子の自社ファウンドリーは注文が飽和状態で、需要に対応できないことから外部委託を拡大している」と指摘した。
サムスン電子がこの日発表した第1・四半期の営業利益は前年同期比46%増の9兆4000億ウォン(84億8000万ドル)と自社予想をわずかに上回り、第1・四半期として2018年以来の高水準を記録した。
モバイル事業の利益が66%増の4兆4000億ウォンと大きな伸びを示したことが寄与した。スマホの旗艦モデル「ギャラクシーS21」の販売が好調だった。
テレビ・家電事業の利益も、ステイホーム需要の継続により増加した。
一方、半導体事業の利益は減少。国内生産拡大によるコストや2月半ばに生産停止を余儀なくされたテキサス州の工場の損失が響いた。
純利益は46%増の7兆1000億ウォン。売上高は18%増の65兆4000億ウォンだった。