James Oliphant Leah Douglas P.J. Huffstutter
[デモイン(米アイオワ州) 11日 ロイター] - 米アイオワ州で共和党を支持する農家は、ドナルド・トランプ氏の大統領就任を望んでいる。トランプ氏は貿易戦争が既に落ち込んでいる米農産品輸出に影響を及ぼす可能性があると表明しているが、農家はトランプ政権下で数百億ドル規模の支援を受けたことを評価している。
トランプ氏は6日、アイオワ州クリントンで開かれた集会で、「農家に280億ドルを支出した」と強調。中国、メキシコ、カナダとの貿易戦争で、2018年と19年に米国産農産品の輸出が減少したことを受け、農家への補助金を打ち出したことに言及した。
トランプ政権は、作物支援や災害など農家への支援として、記録的水準となる約2170億ドルを拠出した。
24年の大統領選の運動が活発化する中、国内農業経済は不安定な状況にある。
農務省の最新予想によると、生産と労働コストの増加、金利上昇、商品価格の下落に加え、政府の直接的な支援縮小を背景に、23年の農業純所得は20%減少した。
トランプ氏は、2期目の4年間で、中国などとの貿易摩擦が一段と激化し、大半の輸入品に原則10%の関税を課す可能性もあると示唆した。
しかし、ロイターがインタビューしたアイオワ州の農家は、新たな貿易戦争の可能性に懸念を抱いていないと発言。同州マスカティンで家族経営の農場を営み、トランプ陣営に農業問題について助言するボビー・カウフマン下院議員は「不均衡な貿易協定が結ばれていた。何十年もの間、米大統領は利用されてきた」と語った。
業界紙アグリパルスが委託し、10日公表された調査によると、農家605人のうち、約39%がトランプ氏に投票すると回答。19%は共和党候補のロン・デサンティス氏に、8%がバイデン氏に投票すると回答した。
シカゴ商品取引所の23年のトウモロコシ先物下落率は10年ぶりの大きさとなった。海外での記録的な豊作で米国産トウモロコシと大豆の需要が押し下げられ、輸出が減速する中、貿易摩擦のリスクが高まっている。