[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27727.76;-312.40TOPIX;1959.14;-19.56
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は米株安の流れを引き継いで8日ぶりに反落し、下げ幅を400円あまりに広げる場面もあった。
ただ、日足チャートを見ると27400円台に位置する75日移動平均線を上回って推移しており、底堅さも感じる。
前日までの上昇ピッチが急だっただけに、スピード調整の範囲内と受け止める向きは少なくないだろう。
個別・業種別では商品市況の上昇に伴い鉱業や非鉄金属といった関連セクターの一角が堅調だが、個人投資家にも人気の高い海運株やレーザーテックの下げが目立つ。
東証1部全体としても8割超の銘柄が下落している。
前引けの日経平均が-1.11%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.99%。
ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円弱となっている。
新興市場ではマザーズ指数が-0.98%と反落。
こちらは朝方にプラスへ転じる場面もあったが続かず、やはり軟調もみ合いの展開となっている。
メルカリ (T:4385)などの主力株はやや軟調で、売買代金トップのグローバルW (T:3936)が大幅高。
値動き重視の小型株物色の様相だ。
さて、前日の米市場では原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI5月物)が1バレル=114.93ドル(+5.66ドル)に上昇。
需給ひっ迫観測が強まったうえ、米在庫の減少も価格を押し上げたという。
パイプライン障害による輸出減少を巡っては、折も折だけに政治的意図を疑う向きもあるようだ。
一方、10年物国債利回りは2.29%(-0.09pt)に低下した。
景気減速懸念に直近の売られ過ぎ感もあって買いが入ったとみられる。
また、20年物国債入札の結果が好調だったことも影響しただろう。
金融政策の影響を受けやすい2年物の利回りは2.10%(-0.05pt)に低下。
期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.94%
(+0.03pt)に上昇した。
15~16日の連邦公開市場委員会(FOMC)通過後、金利の急上昇にも関わらず米株は需給主導で大きくリバウンドしたが、やはり商品市況の先高観やインフレ、景気悪化、金融引き締めへの懸念が拭いづらいところだろう。
金融政策を巡っては、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が経済データ次第ながら5月FOMCでの0.5ptの利上げやバランスシート縮小決定を示唆。
また、米国では新築住宅販売の減少が続き、英国も今年の経済成長率予想を従来の6%から3.8%に下方修正した。
実需筋でも売り持ちの解消を迫られている可能性はあるが、かといって積極的に買い持ちに傾くとまでは考えづらい。
国内株式市場の動向も見ておきたい。
ここ数日の先物手口を見ると、BofA証券などの外資系証券による買い越しが目立っていた。
日経レバETF (T:1570)の純資産総額が5500億円規模まで膨らんでいるのも気になるところ。
ただ、ネット証券の取引状況を見ると日経レバETFはここ数日一貫して売り超となっている。
また、18日申込み時点の市場全体の信用買い残高の合計(東名2市場、制度・一般合計)は3兆400億円(-1667億円)と2週連続で大きく減少した。
昨年3月以来およそ1年ぶりの低水準となっている。
新年度に向けてリバランス(資産配分の再調整)目的の買いや配当再投資目的の買いといった需給面の押し上げが期待される点はこれまで度々述べた。
ただ、株価指数先物の買い戻しが進んだことと、短期リバウンドを見越したものとみられる日経レバETFなどの持ち高の増加により、需給良化はある程度先取りしてしまった感が拭えない。
また、緩和相場下で拡大した信用買い残はリバウンド局面を捉え整理が続いていると言える。
来週29日の権利付き最終売買日の前後までに一段の上昇もあるかもしれないが、こうした市場動向を踏まえればその余地はかなり減ってきたとも考えられる。
後場の日経平均もまずまず底堅く推移しそうだが、今晩開催される北大西洋条約機構(NATO)や主要7カ国(G7)の首脳会議、それに各国経済指標などを注視しておきたい。
(小林大純)
日経平均;27727.76;-312.40TOPIX;1959.14;-19.56
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は米株安の流れを引き継いで8日ぶりに反落し、下げ幅を400円あまりに広げる場面もあった。
ただ、日足チャートを見ると27400円台に位置する75日移動平均線を上回って推移しており、底堅さも感じる。
前日までの上昇ピッチが急だっただけに、スピード調整の範囲内と受け止める向きは少なくないだろう。
個別・業種別では商品市況の上昇に伴い鉱業や非鉄金属といった関連セクターの一角が堅調だが、個人投資家にも人気の高い海運株やレーザーテックの下げが目立つ。
東証1部全体としても8割超の銘柄が下落している。
前引けの日経平均が-1.11%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.99%。
ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円弱となっている。
新興市場ではマザーズ指数が-0.98%と反落。
こちらは朝方にプラスへ転じる場面もあったが続かず、やはり軟調もみ合いの展開となっている。
メルカリ (T:4385)などの主力株はやや軟調で、売買代金トップのグローバルW (T:3936)が大幅高。
値動き重視の小型株物色の様相だ。
さて、前日の米市場では原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI5月物)が1バレル=114.93ドル(+5.66ドル)に上昇。
需給ひっ迫観測が強まったうえ、米在庫の減少も価格を押し上げたという。
パイプライン障害による輸出減少を巡っては、折も折だけに政治的意図を疑う向きもあるようだ。
一方、10年物国債利回りは2.29%(-0.09pt)に低下した。
景気減速懸念に直近の売られ過ぎ感もあって買いが入ったとみられる。
また、20年物国債入札の結果が好調だったことも影響しただろう。
金融政策の影響を受けやすい2年物の利回りは2.10%(-0.05pt)に低下。
期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.94%
(+0.03pt)に上昇した。
15~16日の連邦公開市場委員会(FOMC)通過後、金利の急上昇にも関わらず米株は需給主導で大きくリバウンドしたが、やはり商品市況の先高観やインフレ、景気悪化、金融引き締めへの懸念が拭いづらいところだろう。
金融政策を巡っては、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が経済データ次第ながら5月FOMCでの0.5ptの利上げやバランスシート縮小決定を示唆。
また、米国では新築住宅販売の減少が続き、英国も今年の経済成長率予想を従来の6%から3.8%に下方修正した。
実需筋でも売り持ちの解消を迫られている可能性はあるが、かといって積極的に買い持ちに傾くとまでは考えづらい。
国内株式市場の動向も見ておきたい。
ここ数日の先物手口を見ると、BofA証券などの外資系証券による買い越しが目立っていた。
日経レバETF (T:1570)の純資産総額が5500億円規模まで膨らんでいるのも気になるところ。
ただ、ネット証券の取引状況を見ると日経レバETFはここ数日一貫して売り超となっている。
また、18日申込み時点の市場全体の信用買い残高の合計(東名2市場、制度・一般合計)は3兆400億円(-1667億円)と2週連続で大きく減少した。
昨年3月以来およそ1年ぶりの低水準となっている。
新年度に向けてリバランス(資産配分の再調整)目的の買いや配当再投資目的の買いといった需給面の押し上げが期待される点はこれまで度々述べた。
ただ、株価指数先物の買い戻しが進んだことと、短期リバウンドを見越したものとみられる日経レバETFなどの持ち高の増加により、需給良化はある程度先取りしてしまった感が拭えない。
また、緩和相場下で拡大した信用買い残はリバウンド局面を捉え整理が続いていると言える。
来週29日の権利付き最終売買日の前後までに一段の上昇もあるかもしれないが、こうした市場動向を踏まえればその余地はかなり減ってきたとも考えられる。
後場の日経平均もまずまず底堅く推移しそうだが、今晩開催される北大西洋条約機構(NATO)や主要7カ国(G7)の首脳会議、それに各国経済指標などを注視しておきたい。
(小林大純)