来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改定値、メジャーSQ算出日、米CPI
ハーシーは2026年第2四半期において、ウォール街の予想を上回る結果を発表した。調整後1株当たり利益(EPS)は1.90ドル、売上高は27億9000万ドルとなり、市場予想の1.43ドル、26億4000万ドルをともに上回った。それでも、株価は時間外取引で1.58%下落し181ドルとなった。投資家がソルティースナック部門のサプライチェーン問題や、やや慎重な利益率見通しを意識したことが背景にあるとみられる。
主なポイント
- 調整後EPSは前年同期比57%増の1.90ドルとなり、予想を大幅に上回った。
- 売上高は同6.6%増の27億9000万ドルとなり、こちらも予想を超えた。
- 売上総利益率は価格設定、生産性向上、原材料コスト低下を背景に350ベーシスポイント拡大した。
- ハーシーは通期の売上高および利益見通しを従来レンジの上半分に絞り込んだ。
- 予想超えにもかかわらず株価は時間外取引で下落し、業績執行と利益率に対する投資家の慎重姿勢が示された。
業績概況
ハーシーによると、2026年上半期の純売上高は前年同期比8.9%増、オーガニック純売上高は同5.8%増となった。上半期の調整後EPSは同28%増加した。消費者が節約志向を維持しながら選択的な支出を続ける中でも、同社のポートフォリオ全体で需要は底堅く推移したとしている。
ただし、見出しの数字の裏には強弱まちまちの状況がある。価格設定が業績を押し上げ、当四半期の純価格実現率は約12%に達した。一方、販売数量は約8ポイント減少した。これは主に北米菓子事業および国際事業における価格弾力性によるものであり、値上げが購買量の減少につながったことを示している。
セグメント別では、北米菓子事業の売上高が4.2%増、北米ソルティースナック事業が22.9%増、国際事業が5.7%増となった。ソルティースナック事業はLesserEvilの買収が寄与したが、マルチパックおよびDot’s Pretzelsのサプライ問題が予想比での業績を押し下げた。
財務ハイライト
- 売上高:27億9000万ドル、前年同期比6.6%増。
- 調整後EPS:1.90ドル、前年同期比57%増。
- 上半期純売上高:前年同期比8.9%増。
- 上半期オーガニック純売上高:前年同期比5.8%増。
- 上半期調整後EPS:前年同期比28%増。
- 売上総利益率:当四半期に350ベーシスポイント拡大。
- 純価格実現率:当四半期で約12%。
- 販売数量:当四半期で約8ポイント減少。
- 北米ソルティースナック事業売上高:LesserEvilの寄与により22.9%増。
- 国際事業売上高:5.7%増、為替が約30ベーシスポイント寄与。
実績対予想
ハーシーの調整後EPSは1.90ドルとなり、市場コンセンサス予想の1.43ドルを0.47ドル(32.87%)上回った。売上高は実績27億9000万ドルに対し予想26億4000万ドルで、1億5000万ドル(5.68%)の上振れとなった。
今回の上振れは、わずかなものではなく全面的なものであった。利益・売上高ともに予想を超え、利益率の拡大も力強かった。こうした組み合わせは通常、堅固な営業レバレッジや価格決定力、あるいはその両方を示すシグナルとなる。
EPSの上振れ幅は特筆に値する。通常の四半期サプライズを大きく上回るものであり、ハーシーがアナリストの想定を超える利益を創出したことを示している。売上高の上振れは率でみれば小さいが、それでも十分に意義のある水準である。
市場の反応
予想を上回る四半期業績にもかかわらず、ハーシーの株価は時間外取引で1.58%下落し181ドルとなった。前日終値は183.91ドルであった。株価は52週高値の239.48ドルを大きく下回る水準で推移しており、52週安値の161.43ドルは上回っている。
時間外での下落は、投資家が予想超えそのものよりも、年後半の成長を鈍化させる可能性のある要因に注目したことを示唆している。同社は通期の売上総利益率拡大見通しをわずかに引き下げ、ソルティースナック事業でサプライ制約が生じていると述べた。これらの問題は、売上成長がどの程度利益に転換されるかに影響するため、市場にとって重要な懸念材料となり得る。
株価のバリュエーションも投資家心理の重しとなっている可能性がある。ハーシーのPERは34.14倍であり、InvestingProのデータでは高い利益乗数と評価されている。それでも、InvestingProのフェアバリュー分析によれば、現在の株価水準は割安とされており、長期的な投資家にとってはアップサイドの余地があることを示唆している。同社の時価総額は373億ドルで、同プラットフォームでの総合的な財務健全性スコアは「良好(GOOD)」と評価されている。
異常な出来高データは提供されておらず、取引急増の明確な兆候はない。株価の動きは急落というよりも小幅な下落にとどまっており、パニックではなく慎重姿勢を示すものといえる。
見通しとガイダンス
ハーシーは2026年通期の純売上高および調整後EPSガイダンスを、従来レンジの上半分に絞り込んだ。通期のオーガニック純売上高成長率は3%〜3.5%を見込んでおり、従来予想から引き上げられた。
また、調整後EPSの成長率は従来レンジの上半分に当たる32.5%〜35%になると見込んでいる。第3四半期のEPS成長率は通年で最も高くなる見通しであり、価格設定と商品市況の動向が追い風となる。
経営陣は、ソルティースナック事業における輸送・物流コストの上昇を理由に、通期の売上総利益率拡大見通しをわずかに引き下げ、400ベーシスポイントをわずかに下回る水準とした。一方、ブランド投資を前年比30%増やし、上半期比で30%多い新製品を投入する計画も示した。
株主還元への取り組みも維持されている。InvestingProのヒントによれば、ハーシーは56年連続で配当を維持しており、現在の配当利回りは3.16%となっている。過去12カ月の売上高成長率は11.5%、自己資本利益率(ROE)は23%であり、近期の逆風を乗り越えながらもブランドへの継続投資を支える基盤が整っている。
新製品としては、ハーシーズ クリームフィルドバーやリーセス ピーセス ウィズ クッキーなどが予定されている。また、Cadbury、PAYDAY、FULFILといったブランドのキャンペーン拡大も計画されている。
経営幹部のコメント
カーク・タナー最高経営責任者(CEO)は「われわれは明確な目標を掲げて2026年に臨んだ。純売上高4〜5%成長と、ハーシーの長期成長を支える戦略・能力・組織への投資を継続しながら、利益率と利益の本格的な回復を実現することだ」と述べた。
タナー氏はまた、好調な上半期を受けて見通しを絞り込んだことも説明した。「本日、純売上高および調整後EPSのレンジを従来見通しの上半分に絞り込む。上半期の報告純売上高は約9%増、調整後EPSは28%増となった」と述べた。
スティーブ・ボスクイル最高財務責任者(CFO)は、当四半期について「サプライ面の課題にもかかわらず、各セグメントで需要は底堅く推移した」と評価し、価格設定と生産性向上が利益率回復を牽引したと付け加えた。また、6月に取締役会が5億ドルの追加自社株買い枠を承認したことを明らかにし、事業への自信を示した。
リスクと課題
- 北米ソルティースナック事業のサプライ制約が続けば、成長が抑制される可能性がある。
- 輸送・物流コストの上昇が利益率を圧迫する恐れがある。
- 価格弾力性による販売数量の減少が需要の重しとなる可能性がある。
- 消費者の支出は依然として選択的であり、特に消費者マインドが弱い環境下では慎重姿勢が続く。
- 国際事業の業績は為替変動や在庫動向の影響を受ける可能性がある。
質疑応答
アナリストとの質疑応答セッションは7月30日午前に予定されていたが、提供された資料には詳細な質疑応答の記録は含まれていなかった。
それでも、経営陣は事前コメントの中で投資家が関心を持つとみられる複数の論点に言及した。幹部らはソルティースナック事業のサプライ課題、SNAP(補助的栄養支援プログラム)の変更による軽微な影響、および値上げが販売数量に与える影響について説明した。また、国際事業は予想を上回るペースで推移しており、GLP-1(肥満治療薬)の普及や幅広い健康志向トレンドは想定通りに推移していると述べた。
同社のコメントは、アナリストがブランド投資の拡大、サプライ問題の解消、価格圧力の管理を行いながらハーシーが成長を持続できるかどうかに焦点を当てていたことを示唆している。経営陣の回答は、事業はそれを実現できる態勢にあるという認識を示すものであった。
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