アジレント、2026年度第3四半期の業績予想を上回り、通期見通しを上方修正

公開 2026-08-27 06:52
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アジレント・テクノロジーズは、2026年度第3四半期(財政年度)の業績が市場予想を上回ったと発表した。調整後1株当たり利益(EPS)は1.62ドル、売上高は18億8,000万ドルとなり、いずれもウォール街の予想を超えた。また、通期の売上高、利益、利益率の見通しも引き上げた。株価は時間外取引で3.17%上昇し160ドルとなり、52週高値の160.51ドルに迫った。通常取引の終値は155.08ドルで、0.2%高で引けていた。

主なポイント

  • アジレントは、製薬、中国、応用市場における旺盛な需要に支えられ、利益・売上高ともに予想を上回った。
  • 価格改定の効果、販売量の増加、コスト管理の徹底により、営業利益率が大幅に拡大した。
  • 通期の売上高、EPS、利益率拡大に関するガイダンスを引き上げた。
  • 9500トリプル四重極ICP-MSや新型GCシステムなど、新製品の市場浸透が進んでいる。
  • 大手製薬企業からの国内回帰(リショアリング)需要が高まりつつあり、2027年以降の売上増加が見込まれると経営陣は述べた。

業績概要

アジレントは、第3四半期の業績は業界環境の改善だけでなく、着実な事業遂行を反映したものだと説明した。売上高は前年同期比8.1%増の18億8,000万ドルとなり、為替・買収の影響を除いたコア有機定数通貨成長率は7.3%だった。製薬部門が12%増、中国が9%増、応用市場が7%増と、幅広い分野で成長が見られた。

パドレイグ・マクドネル最高経営責任者(CEO)は、今四半期の結果はアジレントの戦略と事業モデルの効果を示すものだと述べた。「第3四半期の卓越した業績は偶然ではない」と語り、4つの柱からなる戦略と「Ignite」オペレーティングシステムが成果を牽引していると説明した。

また、大規模な導入済み機器ベースと拡大するサービス事業に支えられ、主要ワークフローでシェアを獲得していることも強調した。経営陣によると、機器の受注は10四半期連続で売上高を上回るか同水準を維持しており、需要の底堅さを示しているという。

財務ハイライト

  • 売上高:18億8,000万ドル、前年同期比8.1%増。コア有機定数通貨成長率は7.3%。
  • 調整後EPS:1.62ドル、関税還付を除くベースでは1.56ドルで前年同期比14%増。
  • 粗利益率:56.4%(関税還付の恩恵を除くと54.9%)。
  • 営業利益率:関税除外ベースで27.2%、前年同期比210ベーシスポイント改善。関税還付を含むと28.3%。
  • 営業キャッシュフロー:5億1,900万ドル。
  • フリーキャッシュフロー:設備投資8,000万ドルを差し引いた4億3,900万ドル。
  • 自社株買い:7,800万ドル。
  • 配当:7,200万ドル。
  • 純負債倍率:1.0倍。
  • 時価総額:437億ドル。
  • 直近12カ月の自己資本利益率(ROE):21%。
  • 配当利回り:0.66%。同社は15年連続で配当を維持していると、InvestingProのデータが示している。
  • Biocare(バイオケア)の貢献:6月下旬の買収完了後、当四半期に1,000万ドルの売上高を計上。

業績と予想の比較

アジレントの調整後EPSは1.62ドルとなり、市場コンセンサス予想の1.49ドルを0.13ドル上回り、8.7%の上振れとなった。売上高は18億8,000万ドルで、予想の18億4,000万ドルを4,000万ドル(2.2%)超えた。

利益面での上振れは売上高の上振れを大きく上回っており、利益率の改善が業績を大きく押し上げたことを示している。同社によると、価格改定と販売量の増加により、関税除外ベースの営業利益率が前年同期比210ベーシスポイント拡大した。こうした利益面での超過達成は、小幅な売上高の上振れよりも投資家にとって重要視されることが多い。

報告ベースのEPSには関税還付による0.06ドルの恩恵が含まれている。それでも、関税除外ベースでガイダンスの上限を上回っており、基礎的な業績が堅調であることを示している。

市場の反応

株価は時間外取引で3.17%上昇し160ドルとなり、通常取引の終値155.08ドルから4.92ドル上昇した。この動きにより、株価は52週高値の160.51ドルに迫り、市場が今回の決算を明確にポジティブと評価したことがうかがえる。

通常取引は比較的落ち着いた展開で、決算発表前の終値は0.2%高にとどまっていた。時間外取引での大幅な上昇は、投資家が業績の上振れと通期見通しの引き上げに注目したことを示している。

株価が52週高値に近い水準にあることは、アジレントの利益率拡大や製薬、中国、応用市場における持続的な成長への信頼感を反映している可能性がある。なお、異常な売買高に関するデータは提供されていない。

見通しとガイダンス

アジレントは2026年度通期ガイダンスを引き上げた。売上高の新たな見通しは74億9,000万ドルから75億1,000万ドルで、従来予想から上方修正された。EPSの見通しも報告ベースで6.18ドルから6.21ドルに引き上げられ、関税還付を除くベースでは6.12ドルから6.15ドルとなる。

経営陣によると、通期の関税除外ベースの営業利益率拡大幅は100ベーシスポイント超を見込んでおり、従来予想の85ベーシスポイントから上方修正された。関税還付を含む場合、利益率拡大幅は130ベーシスポイント超が見込まれる。

第4四半期については、売上高を19億8,000万ドルから20億ドル、EPSを1.71ドルから1.74ドルと見込んでいる。同四半期にはBiocareからの約2,300万ドルの売上高が含まれており、将来の関税還付の恩恵は含まれていない。

経営陣はまた、以下の長期的な成長ドライバーを強調した:

  • 製薬・バイオテクノロジー分野における継続的な堅調さ、
  • 中国市場の回復、
  • 新製品の投入、
  • 液体クロマトグラフィー(LC)およびガスクロマトグラフィー(GC)における機器の更新需要、
  • 大手製薬顧客からの国内回帰(リショアリング)需要。

経営陣のコメント

マクドネルCEOは、今回の業績は「戦略の4つの主要要素が生み出したモメンタム」を反映していると述べた。また、「Igniteの複合的な効果が今や一層明確に現れている」とし、価格改定、サプライチェーン、生産性の向上を指摘した。

価格改定だけで当四半期に約200ベーシスポイントの貢献があり、同社が当初設定した通期目標を上回ったと説明した。「当初の通期目標である100ベーシスポイント超をすでに達成した」と述べた。

見通しについて、マクドネルCEOは第3四半期だけで世界トップ10の製薬企業のうち5社から国内回帰に関連した受注を獲得したと明らかにした。これを、2027年以降に拡大する可能性のある大きなビジネス機会の初期的な証拠として位置付けた。

リスクと課題

  • 診断・臨床部門の成長率は6%と堅調だったが、一部の市場予想を下回っており、事業の一部で需要にばらつきがある可能性を示唆している。
  • 欧州の成長率は低い一桁台にとどまり、地域別のパフォーマンスに依然としてばらつきがあることを示している。
  • 医薬品受託製造(CDMO)事業は、年前半の力強い成長の後、第4四半期は横ばいが見込まれており、近期的なモメンタムを制限する可能性がある。
  • EPSの一部は関税還付によるものであり、今後の四半期では繰り返されない可能性がある。
  • 経営陣の長期的な成長シナリオは、国内回帰、中国市場、新製品の普及に一部依存しており、マクロ経済や政策の変化によって影響を受ける可能性がある。

質疑応答

アナリストからの質問は、CDMO事業、国内回帰需要、中国の3つの分野に集中した。

専門CDMO事業に関する質問では、第3四半期の力強い成長が2027年以降も持続できるかどうかが焦点となった。経営陣は、同事業は長期計画期間中に10%台半ばの成長を維持する軌道にあり、「トレインC」が2027年春に稼働を開始し、その後数四半期にわたって本格化する見込みだと説明した。

製薬業界の国内回帰についても質問が相次いだ。経営陣は、2030年までの市場機会を約10億ドルと試算しており、少なくともその3分の1を獲得できると見込んでいると述べた。すでに一部の受注が入り始めており、売上高への貢献は2027年から本格化する見通しだという。

中国も主要なテーマの一つだった。経営陣は、現地顧客との関係強化、現地生産の拡充、需要パイプラインの拡大に支えられ、製薬、食品、先端材料、分光分析の各分野で力強い成長を達成したと説明した。このモメンタムは第4四半期も継続すると見込んでいるという。

その他、価格改定、診断部門、機器設置後のサービス収益の時期についても質問があった。経営陣は価格改定の効果が引き続き強く、サービスや消耗品の売上高は機器の設置から通常12〜18カ月のタイムラグを経て増加すると説明した。

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