アシュアード・ギャランティ・リミテッド(AGO)は2024年第3四半期決算発表で、1株当たり調整後簿価と株主資本が過去最高を記録するなど、堅調な財務実績を報告しました。株価は下落したものの、新規事業の生産は力強く成長し、地方債保険市場でのリーダーシップを維持しました。
主なポイント
- 1株当たり調整後簿価は166.47ドルで過去最高を記録。
- 年初来の1株当たり調整後営業利益は13%増の5.80ドル。
- 新規発行額は166億ドルで、前年比18%増。
- AGMとAGの合併を完了し、高い信用格付けを維持。
- 2025年までに5億ドルの自社株買いを目標。
業績
アシュアード・ギャランティは2024年第3四半期に大幅な成長を示し、全市場セグメントで新規事業の生産が顕著に増加しました。同社の地方債保険に対する戦略的な注力により、米国地方債市場の一次市場における保証付き債券発行額の57%を占め、市場リーダーとしての地位を確固たるものにしました。AGMとAGの合併完了は重要な動きとなり、高い信用格付けと財務の安定性を確保しました。
財務ハイライト
- 調整後営業利益:1億3000万ドル、1株当たり2.42ドル。
- 年初来の調整後営業利益:1株当たり5.80ドル、前年同期比13%増。
- 正味既経過保険料:1億100万ドル、2023年第3四半期の9900万ドルからわずかに増加。
- 繰延保険料収入:38億ドル。
- 1株当たり調整後簿価:166.47ドルで過去最高。
- 1株当たり調整後営業株主資本:113.96ドルで過去最高。
市場の反応
アシュアード・ギャランティの株価は、通常取引で3.53%下落して85.77ドルで引けました。これは、プレマーケットで1.29%上昇して86.88ドルだったにもかかわらずです。この動きは、より広範な市場の変動性と投資家の慎重姿勢を反映しています。株価のパフォーマンスは、52週レンジの高値96.60ドル、安値72.49ドルの範囲内にとどまっています。
今後の見通し
アシュアード・ギャランティは今後、地方債発行と国際的なプレゼンスの拡大に注力する計画で、オーストラリア市場への参入も含まれています。同社は2025年までに5億ドルの自社株買いを目標としており、バミューダの税制変更により法人税率がわずかに低下すると予想しています。
経営陣のコメント
ドミニク・フレデリコCEOは、同社の成長軌道を強調し、「アシュアード・ギャランティの株主と保険契約者のために価値を創造し続けています」と述べました。また、発行体からの需要の増加について、「より多くの発行体が、借入コストを抑制し、取引をより効率的に実行するためにアシュアード・ギャランティに頼り続けています」と指摘しました。
質疑応答
決算発表の質疑応答では、アナリストらがアシュアード・ギャランティの英国水道事業への関与について質問し、経営陣は資本管理への重大な影響はないと確認しました。また、進行中のPREPA問題の解決や、MBIAの買収に対する潜在的な関心についても議論がありました。ただし、後者については適切な価格次第とのことでした。
リスクと課題
- 英国水道事業への関与は、市場環境が悪化した場合、財務リスクをもたらす可能性があります。
- 地方債市場の変動性は、将来の発行量に影響を与える可能性があります。
- 税制の変更は収益性に影響を与える可能性があります。
- 地方債市場における他の保険会社との競争。
- マクロ経済的圧力は、投資家心理と市場の安定性に影響を与える可能性があります。
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