[モリスタウン(米ニュージャージー州) 16日 ロイター] - トランプ米大統領は15日、米中の交渉担当者は「生産的な」通商協議を行っており、中国からの1250億ドル超相当の輸入品に対する米国の関税が来月1日に発動するとしても9月に交渉担当者が面会すると見込んでいると述べた。
記者団に対し「9月の協議は依然行う予定と理解している。だがそれより重要なのは、電話で話しているということだ。非常に生産的な協議をしている」と強調し、米中当局者が数日前に「非常に良い話し合い」をしたことを明らかにした。
一方、中国は15日、3000億ドル相当の中国製品に対する米国の追加関税に対抗措置をとると警告する一方、米国に対し合意に向けた歩み寄りを促した。
トランプ大統領は、中国が追加関税に対して報復するとは思わないと指摘。記者団に対し「中国と非常に良い話し合いをしている。中国は合意を強く望んでいる」と語った。習近平国家主席との電話協議を近く予定しているとしたが、具体的にいつ行われるかは明らかにしなかった。
その上で「(貿易戦争が)長く続けば続くほど、米国の立場は強くなる」と述べ、「かなり短期で済む気がする」との見方を示した。
中国財政省は声明文で、米国の関税は交渉を通じて対立を解消するという、6月に日本での米中首脳会談で得られたコンセンサスに反すると指摘した。
これとは別に、中国外務省の報道官は声明で「米国が中国に歩み寄り、大阪で両首脳が交わした合意を果たすよう希望する」と述べるとともに、両国が平等や相互信頼の下、対話や協議を通じて互いに受け入れ可能な解決策を見いだせるよう期待すると表明した。
米国は今月、3000億ドル相当の中国製品への追加関税を9月1日に発動すると発表。ただトランプ大統領は今週、年末商戦への影響を配慮しノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動延期を決めた。
また、中国共産党機関紙の人民日報は16日付論評記事で、中国はいかなる挑発にも断固として最後まで対抗すると指摘した。
同紙は「その様子から判断して、彼ら(米国)はどこかの時点で袋小路のれんが壁に衝突すると分かっている。そのため、彼らはペースを落として衝突するのを遅らせている」とし、「後戻りしなければ最終的に壁に衝突し、頭を砕くことになる」と警告した。