[国連/アテネ 20日 ロイター] - ポンペオ米国務長官は20日、地中海を航行中のイランの石油タンカーを巡り、米国の制裁に違反してシリアに原油を輸送する動きがあればあらゆる手段を講じて阻止するとの考えを示した。
ジブラルタル自治政府が拿捕(だほ)し、先週解放したイランのタンカー「アドリアン・ダリア」(グレース1から改名)は18日にジブラルタル沖を出航。船舶データによると、20日の時点でギリシャのカラマタに向けて航行しており、26日に到着する見通しだ。
ギリシャは20日、アドリアン・ダリアからギリシャ国内の港への停泊を求める要請は受けていないと明らかにした。
ポンペオ長官は国連で記者団に対し「(タンカーに)関わったり、支援したり、停泊を認めたりする者はみな、米国の制裁を受けるリスクがある」と述べた。
また「タンカーが再びシリアに向かえば、われわれは制裁に従いあらゆる措置を講じて阻止する」と言明した。
タンカーに積まれている原油が売却されれば、収入はイラン革命防衛隊の手に渡るとし、「恐ろしいテロ行為を続けるリソ-スの入手を阻止したい」と訴えた。