[上海 23日 ロイター] - 中国共産党機関紙の人民日報は23日、合成オピオイド「フェンタニル」およびフェンタニル関連物質が米国に流入するのを中国が取り締まっていないとする米当局者の指摘について、オピオイド乱用の責任は使用者にあると反論した。
人民日報は、米国はフェンタニル乱用の「責任を(中国に)押し付けており」、中国政府がフェンタニルに対して厳格な管理を行っていることを無視しているとした。
複数の米当局者は、国際郵便などを通じて米国に流入する違法なフェンタニルおよびフェンタニル関連物質の主な供給源は中国だと指摘。中国側はこれを否定している。
人民日報は対外政策を巡る見解を示す際に用いるペンネーム「鐘声」で論評記事を掲載し、「米国の一部の人々は、病の源は体内にあることを理解する必要がある」と指摘。「病気を他人のせいにすることはできない」とした上で、米国はオピオイド乱用がまん延していることに十分対処していないと付け加えた。
米財務省は21日、フェンタニルを違法に生産・密輸したとして既に起訴されている中国人3人に対し、制裁措置を発動した。[nL4N25H3T2]また、トランプ大統領は今月初め、中国の習近平国家主席が米国に大量流入するフェンタニルを取り締まるとの約束を果たしていないと批判した。[nL4N24Y0IU]