[ニューデリー 4日 ロイター] - インド政府は、準備銀行(中央銀行)から追加の納付金を受け取っているにもかかわらず、今年度の財政赤字目標を達成できない公算が大きい。景気の急減速によって税収が大きく落ち込んでいるためだ。5人の政府高官や政策アドバイザーが明らかにした。
4─6月期の成長率が5%と、6年ぶりの低い伸びにとどまったことで、政府は年末にかけて追加の刺激策を迫られ、財政赤字の対国内総生産(GDP)比目標を現在の3.3%から3.5%に修正せざるを得なくなる恐れが出ているという。
2人の高官は、税収が最大で1兆ルピー(140億ドル)の減少と、年間目標の4%相当分が目減りしかねない状況で、物品・サービス税(GST)と所得税の双方で税収不足が見込まれると述べた。
政策アドバイザーの1人は「今年は財政赤字が目標を超えてしまうのは避けられない。景気減速が歳入を直撃している」と語り、政府が思い切った歳出削減に動かない限り、赤字は増加すると付け加えた。
一方で財務省のある高官は、電力のNTPC (NS:NTPC)や保険のゼネラル・インシュアランス (NS:GENA)といった一部国有企業の政府保有株売却計画は、市場環境悪化のために延期される可能性があるとの見方を示した。
また2人のアドバイザーは、政府に対して財政赤字目標達成を先送りして景気減速に取り組み、自動車や繊維など最も打撃が大きいセクターを支援するための政策を打ち出すよう提言したことを明らかにした。