[ベイルート 17日 ロイター] - 中東のレバノン各地で17日、政府の経済運営失策への抗議活動が激化し、首都ベイルートでは数千人が街頭に繰り出した。近年で最大規模に発展した騒乱をなだめるため、政府はメッセージアプリのワッツアップなど音声通話サービスへの課税案を撤回した。
テレビでは各地でタイヤが燃やされ、道路が封鎖される様子を放映。こうした騒乱はここ1カ月弱で2度目で、ベイルートの政府庁舎近くで警備隊と衝突したり、治安警察にプラスチック瓶が投げ付けられたりした。国営通信社NNAによると、2人が負傷。
レバノンは多額の債務を抱え、景気が停滞し、社会インフラの劣化や資本の流入減に伴う金融システムの悪化に見舞われている。政府は2020年予算の承認をてこに国際資金援助を模索しているが、放漫財政や汚職の改革が遅れているとして資金援助も進んでいない。
ベイルートの街頭では「われわれが抗議活動をしているのは、ワッツアップのためではない。燃料や食料やパンやあらゆるもののためだ」との声が聞かれた。失業による家計の困窮を訴える者もいた。
*1段落目の表現を修正して再送しました。