[ローマ 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会で次期経済・金融担当に指名されているイタリアのパオロ・ジェンティローニ元首相は、イタリア紙「ソレ24オレ」への寄稿で、欧州連合(EU)は財政規律を緩めるとともに、財政ルールの見直しが必要だとの考えを示した。
同氏は、EUの財政ルールは順守すべきだが、ルールの「見直しと改定」が必要だと主張。「それほど厳格でない財政政策の下で、財政的に余裕がある国は、それを活用する時だ」と強調した。
EU経済が減速するなか、「長引く低成長がもたらすリスクを見落とすべきでない」とし、景気支援を金融政策のみに委ねるべきでないとの考えを示した。
ジェンティローニ氏は、11月1日に欧州委員会の経済・金融担当委員に就任後、イタリアの2020年の予算案を審査するという重要な役割を担う。
前週に欧州委員会へ提出されたイタリアの予算案では、2020年の景気変動の影響を除く構造的赤字の対GDP比率が0.1%上昇した。これまでは0.6%の削減が目標に掲げられていた。
欧州委員会のドンブロウスキス副委員長は18日、ロイターの取材に対し、予算案に関してイタリアに明確な説明を求めると語った。
イタリアの予算案はEUの財政ルールを軽視しているとも受け取れるが、欧州委員会は、イタリア前政権時代にあったような対立を避けるため、同国に対してより寛大な姿勢を取るとアナリストは予想している。