[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国政府は23日、来年のEU予算の支出増額を求める欧州議会の提案を拒否する考えを表明した。意見の対立が早期に解消されなければ、気候変動対策などの予算配分が遅れる可能性がある。
EU予算を巡る欧州議会と加盟国政府との対立はほぼ常態化している。
欧州議会の議員らはこの日、来年のEUの支出総額を1591億ユーロに引き上げ、気候変動対策への支出は欧州委員会の案よりも20億ユーロ(22億ドル)以上増額することを提案していた。これに対し、加盟国政府の代表は、提案された支出総額はこれまで合意した上限を上回っていると主張。
意見の相違を解消するための協議は今後、本格化する。11月半ばまでに妥協案を見いだすことができなければ、欧州委は新たな予算案を示す必要に迫られる見通しで、EUの資金で賄われている貧困地域向け援助や雇用創造などのプロジェクトの予算配分が遅れる可能性がある。