[オタワ 23日 ロイター] - カナダのトルドー首相は23日、与党が単独過半数を失った下院議会選挙後、初めての記者会見を開き、野党に接触していくが連立政権の可能性は排除すると表明した。
21日の選挙では、トルドー氏の与党自由党が第1党を維持しながらも単独過半数を失った。
トルドー氏は「正式であれ非正式であれ、いかなる形の連立も計画に入っていない」と述べた上で、数週間中にすべての党の党首に接触するとした。
自由党幹部らによると、トルドー氏は議会においてケース・バイ・ケースで野党の支援を求めていく方針。特に左派寄りの新民主党(NDP)から協力を仰ぐ可能性が高いという。
トルドー氏は11月20日に新たな内閣を発表し、最優先課題として中間層の減税に取り組む方針を示した。
同氏は「21日夜、カナダ国民から考える材料を多く与えられた。国民に奉仕する最善の方法について熟慮するため、必要な時間を取っていく」と語った。高らかに勝利宣言した21日と比べ、顕著に抑制された口調だった。
トルドー氏はまた「トランス・マウンテン石油パイプラインの拡張を続ける」と約束した。西部の原油生産地帯では、環境規制の強化によりエネルギー産業が圧迫されるとの懸念が広がっており、選挙ではこの地域のアルバータ、サスカチュワン両州で重要閣僚を含む自由党議員が全員落選した。