[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.4%増と、市場予想の0.5%増を下回った。
政府が税還付などの景気対策を打ち出したものの、個人消費が低迷。還付金を貯蓄に回す動きがみられた。
第2・四半期の改定値は0.6%増だった。
第3・四半期のGDPは前年比では1.7%増。第2・四半期の改定値は1.6%増だった。「トレンド」とされる2.75%を依然として大幅に下回っている。
生産が拡大したのは一部の部門にとどまった。
家計の貯蓄率は4.8%に急上昇。消費は0.1%増と、世界的な金融危機以降で最低の伸びとなった。
長期にわたる建設ブームの反動で、住宅建設が経済成長の足を引っ張る要因となったほか、設備投資も低迷した。
人口が年間1.6%増加していることを踏まえると、経済情勢はかなり厳しいといえる。
NABのエコノミスト、Kaixin Owyong氏は「経済の基礎体力が一段と低下しており、失業率にさらに上昇圧力がかかる可能性が高い」と分析。「一段の金融緩和が必要との見方が強まった」と述べた。
豪中銀は6月以降、3回の利下げを実施。政策金利は過去最低の0.75%となっている。
市場は政策金利が来年には0.5%に引き下げられると予想。0.25%への利下げも十分にあり得るとみている。
鉱山部門は好調だった。高水準の商品価格や中国の需要が寄与した。