[ワシントン 4日 ロイター] - 複数の関係筋によると、トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が、過去2週間で米中貿易交渉への直接的な関与を強めている。
米中交渉はライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が主導しているが、クシュナー氏は「当初から交渉に関わり、両氏に全面協力し両氏を支えている」(ホワイトハウス当局者)という。
通商分野の専門家によると、クシュナー氏は崔天凱・駐米中国大使とも複数回会っており、水面下での交渉ルートを確立している。
クシュナー氏は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で影の立役者となった。ライトハイザー代表は記者団に対し「ジャレッドでなければこの合意は実現しなかった」と発言。メキシコのビデガライ外相(当時)も、クシュナー氏が両国関係の修復に一度ならず貢献したと述べている。
クシュナー氏は過去3年間、中東和平計画、移民政策、オピオイド(医療用鎮痛剤)中毒問題など、政権の様々な課題に関与してきたが、 ロス米商務長官は3日、中国との通商協議について、合意時期より適切な合意をまとめるほうが重要だと語っており、合意の成立は難しい可能性もある。