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USMCA改定協議が進展、バイオ医薬品保護は大幅縮小へ=メキシコ

発行済 2019-12-05 10:25
更新済 2019-12-05 10:29
USMCA改定協議が進展、バイオ医薬品保護は大幅縮小へ=メキシコ

[ワシントン 4日 ロイター] - メキシコ政府は4日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の改定に向けた協議が進展していると明らかにした。バイオ医薬品に対する保護措置が大幅に縮小される見通しで、米製薬会社にとって打撃となる一方、薬価の下落につながりそうだ。

USMCAは、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる枠組み。メキシコは既に承認しているが、米議会は批准を見送っている。野党・民主党がバイオ医薬品保護措置や労働規制などについてトランプ政権に内容修正を要求しているためだ。

こうした中でUSMCA改定を巡る協議のメキシコ首席代表を務めるセアデ外務次官は、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との4時間近い会談の後、これまでよりも合意に近づいていると強調した。

セアデ氏は記者団に、なお解決すべき問題が2つか3つ残っているとしながらも、数日中に合意に至る可能性があると指摘。ただ「われわれが受け入れ不可能な要素もある」とくぎを刺した。5日も協議を続ける見通しだとした。

最も意見が対立している問題の1つは、USMCAで定められたさまざまな労働基準をメキシコが順守するための方策だ。米民主党は基準実行を監督する査察官を設置することを提案し、メキシコが断固としてこれを拒否している。もっともロペスオブラドール大統領は3日、米国、メキシコ、第三国の代表で構成する委員会が、長期にわたり労働基準を点検することを受け入れる用意はあると述べた。

セアデ氏は地元紙への寄稿で、査察官の設置を否定した。

同氏は寄稿で、バイオ医薬品に対する「非常に強固な保護」を「劇的に緩和する」ことが話し合われているとも表明。それ以上詳しく言えないとしたが、米民主党はUSMCAでバイオ医薬品企業に10年間の独占権を認めていることが、薬価高騰につながると批判していた。

NAFTA再交渉でメキシコの首席交渉官を2018年まで務めたケネス・スミス氏はロイターに対し、民主党はバイオ医薬品に対する保護措置の撤回を迫っていると指摘。

USMCAの規定が撤回されれば、保護の度合いが大幅に低いNAFTAの規定に立ち戻るか、妥協策として新たな文言で合意が結ばれる可能性があると続けた。

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