[ワシントン 17日 ロイター] - ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は17日、欧州との恒常的な貿易赤字の削減に向け、欧州製品に対する関税引き上げの可能性を示唆した。
ライトハイザー代表はFOXビジネス・ネットワークのインタビューに対し、航空機大手エアバス (PA:AIR)への補助金を巡る75億ドルの欧州製品に対する関税措置について、欧州との交渉の過程で引き上げる可能性があると表明。「(関税を)引き上げる可能性がある。われわれは交渉を通して結果を得ることを目標としている」とし、「欧州との通商関係は極めて不均衡だ」と述べた。
ただ欧州の自動車、および自動車部品が新たな関税措置の対象になるかについては明らかにしなかった。
ライトハイザー氏は米国の欧州連合(EU)に対する貿易赤字は2019年は1800億ドルに達すると予想されるとし、米国は欧州への輸出拡大を模索する必要があるとの考えを表明。「こうしたことは終わらせなければならない。多くの貿易障壁が存在しており、対応すべき問題は山積している」と指摘した。「対欧州貿易赤字を削減しなければ、全般的な貿易赤字の縮小はできない。このため(欧州との通商問題は)われわれにとり極めて重要な問題になっている」とも述べた。
統計局によると18年の対EU貿易赤字は約1690億ドル。米国の対EU貿易赤字には英国に対する約55億ドルの赤字が含まれている。
英国との通商関係についてライトハイザー氏は、トランプ政権は英国との貿易協定を優先事項に据えているとし、英政府が協定の目的に合意すれば直ちに交渉を開始すると述べた。
このほか米中が通商交渉で達した「第1段階」の合意については、中国が輸入する米国の農産品、工業品、エネルギー、サービスの詳細を文書化すると表明。「すべてが文書化される」と述べた。ただ文書がいつ公表されるかについては明らかにしなかった。
また、第1段階の合意は「完全に実施可能」とも発言。米農産品の対中輸出は倍増するとの見通しも示した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191217T180633+0000