[パリ 17日 ロイター] - フランスの左派系労働組合は、年金制度改革に反対するストライキをクリスマスも継続する考えを示した。17日には国内最大の労組フランス民主労働総同盟(CFDT)が抗議活動に加わったが、労組側が期待していたほどデモ行進は盛り上がらなかった。
ストを主導している左派系労組は共同声明で、この日の全国規模のデモ行進はマクロン大統領が掲げる年金制度改革の「徹底的な拒絶」を意味しているとして、撤回を求めた。「撤回されなければ停戦はない」としてクリスマスもストを継続する考えを示した。CFDTは声明に署名しなかった。
仏内務省の発表によると、労組執行部の呼びかけに応じて全国でデモ行進に参加したのは約61万5000人だった。大規模な抗議活動が始まった今月5日の80万6000人から大幅に減少したが、パリだけでみると参加者は増えた。
これに対し、フランス労働総同盟(CGT)は、全国のデモ参加者は180万人に上り、独自集計による5日の参加人数を上回ったと発表した。労組と政府のデモ参加者の集計は大幅に異なる場合が多い。
年金改革は法定退職年齢を62歳に据え置く一方、賞罰により64歳まで働くことを奨励する内容。[nL4N28L4O2]
ストを受けてパリの地下鉄など交通機関が運行停止となり、エッフェル塔も閉鎖された。CGTは家庭や企業で広がった停電やガス供給の停止の原因を作ったと認めた。
労組側はマクロン大統領がクリスマス前までに年金改革を取り下げるよう期待しており、マクロン氏はクリスマス前のスト終了を望んでいる。クリスマスまで続けば市民の不満は募るとみられる。
フィリップ首相は議会で「年金改革への民主的な労組の抗議は完全に合法的だ。ただ、政府は年金制度を改革し、年金関連予算を均衡化させる強い決意を明確にしてきた」と強調した。