[北京/シカゴ 18日 ロイター] - 中国の輸入業者が、同国政府による新規の関税免除枠の設定を受け、17日に少なくとも12万トン相当の米国産大豆を購入したことが、米中貿易業者の話で明らかになった。
米中が前週に「第1段階」の通商合意に至ったと発表して以来、初めての大豆輸入。貿易業者によると、中国にとって最大の供給国であるブラジルで新たに収穫された大豆の輸入が来月始まる前の段階における最後の大規模な米国産大豆輸入となった可能性がある。
米国のある輸入業者は、6万トンの積み荷2個分が17日に売却されたと確認した。別の米貿易業者は積み荷4個分が売却されたと述べ、中国の貿易業者は少なくとも船舶6隻分に相当する40万トン強について契約が交わされたと明らかにした。
米政府は第1段階の合意として、中国側が米農産物の購入を過去最大の水準に拡大すると強調しているが、大豆の対中輸出は歴史的に低い水準にとどまっている。
中国で大豆は粉砕され、家畜の飼料あるいは調理用の大豆油に加工される。ただ、アフリカ豚コレラの流行で飼育豚の数が急減しているため、大豆需要が低迷している。
中国が購入する米農産物および関連品の金額は、2013年の約290億ドルがこれまでの最高。米国はこれを来年から400億─500億ドルに引き上げるという目標を掲げているが、市場や貿易関係者の間では懐疑的な見方がある。
米貿易業者によると、中国が新たな決定した米国産大豆の関税免除枠は60万─105万トン。別の関係筋によると、第1段階の合意がまとまったのを受け、中国政府は今後、追加の関税免除枠をこれまでより頻繁に設ける見込み。
貿易業者らの推計によると、ブラジルで新たに収穫された大豆が入手可能になるまで、中国の大豆粉砕業者は100万トン前後の米国産大豆が必要になるとみられる。ただ、それ以上の大規模な購入は見込まないとある業者は述べた。
別の米大豆輸出業者は、価格面では1月半ばまで米国産大豆が優位にあり、その後はブラジル産大豆が優位に立つと指摘。別の米業者はブラジル産大豆が価格で米国産より優位になるのは、2月以降だと述べた。