[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦議会の中立機関である議会予算局(CBO)は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)により、自動車・部品メーカー各社が米国に輸出する際の関税負担が、今後10年で30億ドル近く増加するとの見通しを示した。
新協定は自動車を無関税にする条件として、域内で調達する部材の比率を従来の62.5%から75%に引き上げた。
また、自動車や部品の40─45%は時給16ドル以上の工場、すなわち米国やカナダで生産するよう求めている。
CBOは、一部の自動車や部品が無関税となる基準を満たさないと想定した上で推計値を出したとし「(関税をゼロとする)条件の変更に伴い、メキシコとカナダから無関税で米国に輸入される自動車や部品は減少する見通しだ」と説明した。
CBOの推計によると、米国の関税収入は2020年会計年度に1000万ドル増え、その後も増加が見込まれ、29年度までに総額29億7000万ドル増える。一方で、財政赤字は29年度までに30億4000万ドル減少する。
さらに、新協定により米国の実質国内総生産(GDP)は年間0.35%(685億ドル)押し上げられ、国内の雇用は17万6000人増え、輸出も拡大する。
米下院歳入委員会は17日、USMCAの修正文書について、発声投票を行い承認した。19日の下院本会議の採決でも幅広い支持が得られる見通し。