[19日 ロイター] - インドネシア中央銀行は19日、政策金利の7日物リバースレポ金利を5.00%で据え置く一方、来年も緩和的政策を維持して経済を支援する方針をあらためて示した。ロイター調査でも、大方のアナリストが政策金利の据え置きを予想していた。
インドネシア中銀の政策決定会合はこの日が年内最後となる。
ペリー・ワルジヨ総裁は記者会見で「今年、中銀は4回利下げを行い、銀行の預金準備率を2回引き下げ、マクロプルーデンス面での規則を緩和した」と述べ、「来年もわれわれは引き続き経済を上向かせ、消費と輸出を支援し続ける」と表明した。
金利発表後、通貨ルピアはほとんど反応せず、1ドル=1万3990ルピアで推移している。株価指数 (JKSE)は若干下げている。
同総裁は、現在の緩和サイクルを背景にインドネシア経済は2020年に成長が加速し、世界経済の成長改善が輸出を押し上げ、政府の改革によって投資も増えるとの見通しを示した。
今年の経済成長は前年の5.17%から若干減速して5.1%前後になると予想されているものの、来年には融資の伸びの加速に支援される形で中銀の予想レンジ(5.1%-5.5%)の中心水準に回復すると予想した。
キャピタルエコノミクスのシニアエコノミスト、ガレス・レザー氏は「中銀はすぐに利下げサイクルを再開するだろう」と述べ、現在のサイクル中にあと2回、利下げがあるとの見通しを示した。
バンク・ダナモンのエコノミスト、ウィスヌ・ワルダナ氏は中銀が2020年にもう1度利下げし、その後は金融緩和が銀行融資の増加や貸出金利の引き下げにつながることをより重視するようになるとの見方を示した。
ワルジヨ総裁は、中銀が4回の合計で100ベーシスポイント(bp)の利下げを行ったにもかかわらず、運転資金貸付金利が6月以降、18bpしか下がっていないなど、中銀の金融緩和の効果が限定的であることを認めた。
米連邦準備理事会(FRB)が今後大幅な追加利下げをする可能性は低く、インドネシア中銀の利下げ余地も限られると指摘するアナリストもいる。
それでもワルジヨ総裁は、米中貿易摩擦が緩和の方向に向かい、総選挙によって英国の欧州連合(EU)離脱の道筋も見えてきたため、世界の市場を覆っていた先行き不透明感も後退すると語った。
同総裁はインドネシアの経常赤字は引き続き抑制されていると述べたほか、インフレも中銀にとって懸念要因ではなく、2020年のインフレ率が目標レンジ(2%-4%)内に収まることに自信を示した。