[北京 19日 ロイター] - 中国政府は19日、湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎を巡り、春節(旧正月)の大型連休を前に封じ込め策を強化する方針を明らかにした。
国家衛生健康委員会は「春節期間に警戒を強め、感染拡大を巡る動向や変化に細心の注意を払い、感染防止・制御策の実施を指導する」と表明し、封じ込めは可能との見方を示した。
武漢の保健当局はこの日、新型コロナウイルスが検出された患者数が17人増え、62人になったと発表。2人が死亡している。同市で同ウイルスによるものとみられる肺炎が最初に発生したのは12月下旬だった。
海外ではタイで2件、日本で1件、渡航者による発症例が確認されている。
24日に始まる春節の連休では、中国人の多くが国内や海外に旅行するとみられ、他の国への感染拡大が懸念されている。
一方、世界保健機関(WHO)は19日、最新の感染例の一部は、当初の感染源とされる武漢にある華南海産物市場とは関係がないようだとの見解を示した。また、中国が範囲を拡大して検疫を実施しているため、新たな感染例が出てくる可能性があるとした。
国営メディアは、武漢の副市長が、人々が集まるイベントの回数を減らすと表明したと報じた。
米国や大半のアジア諸国は、武漢からの渡航者に対する空港での検疫を実施している。