[マニラ 23日 ロイター] - 2019年のフィリピンの国内総生産(GDP)伸び率は5.9%と、政府目標の6.0-6.5%を下回り、8年ぶりの低水準となった。
ペルニヤ経済開発庁長官が明らかにした。農業生産が低迷したほか、予算案の承認の遅れが響いた。
フィリピン統計局が発表した2019年第4・四半期のGDP伸び率は前年比6.4%。好調な内需や政府支出を背景に第3・四半期改定値の6.0%から加速した。ロイターがまとめた市場予想の6.5%は下回った。
キャピタル・エコノミクスのアナリストは、輸出が低迷しており、第4・四半期の経済成長ペースが続く公算は小さいとの見方を示した。
2018年の経済成長率は6.2%。アジア諸国の中で依然として高い成長を記録している。
フィリピン・アイランズ銀行のエコノミスト、エミリオ・ネリ氏は、2019年の経済成長率が目標を下回ったことを受けて、中銀が第1・四半期中に利下げや預金準備率引き下げなど、金融緩和を再開する可能性があると指摘した。
中銀は来月6日に今年初の金融政策決定会合を開催する。
昨年の平均インフレ率は2.5%と、中銀の目標レンジ(2.0─4.0%)内に収まっており、中銀は今年の金融緩和再開が可能との見方を示している。
昨年は3回の利下げを実施。利下げ幅は計75ベーシスポイント(bp)に達した。
政府は今年の経済成長率を6.5─7.5%と予測。中銀は7%の成長が可能との見方を示している。