[ローマ 27日 ロイター] - イタリア北部のエミリア・ロマーニャ州で26日投開票された州知事選は、中道左派の与党民主党(PD)の現職が、右派「同盟」の候補を抑えて再選を果たした。
同州は長らく左派の地盤だったが今回、左派と右派が激しく競り合った結果、民主が牙城を守った。一方、これまで地方選で8連勝してきた同盟は及ばなかった。
開票終了時点での得票率は、民主の現職ステファノ・ボナッチーニ知事が51.4%。同盟を中心とした右派連合が推すルチア・ボルゴンゾーニ候補は43.6%だった。
一方、同時に行われた南部カラブリア州の選挙では、反対に右派候補が勝利した。
同盟のサルビーニ氏は、民主と反体制政党「五つ星運動」が国政で組む連立政権の崩壊を狙い、年明け以降エミリア・ロマーニャ州で積極的に選挙戦を展開してきた。
同州は高級スポーツ車メーカーのフェラーリなどが拠点を置き、経済的に最も裕福な州の1つ。
選挙結果は、連立政権の安定にポジティブとの見方からイタリア国債は上昇し、利回りは約3カ月ぶりの水準に低下した。
民主のジンガレッティ書記長(党首)は「エミリア・ロマーニャ州はシグナルを送った。サルビーニ氏は問題の語り方は知っているが、それをどのように解決するかは知らない。それに有権者は反応した」と述べた。
同盟のサルビーニ氏は「選挙戦では最善を尽くした」とし、エミリア・ロマーニャ州では敗北したが、左派の支持を減らせたことに満足していると語った。
有権者の関心は高く、投票率は68%と2014年の前回から約30%ポイント上昇した。
ただ、党首辞任で揺らぐ連立相手の五つ星候補の得票率はエミリア・ロマーニャ州で3.5%、カラブリア州で7%強にとどまり、退潮が鮮明となった。
アナリストは、26日の地方選を受けて国政での連立における五つ星の立場が弱くなり、民主の発言権が強まるとの見方を示した。
テネオのウォルファンゴ・ピッコリ氏はリポートで「今後、政権はほとんどの政策で苦しい状況が続くだろう。五つ星は少なくとも3月に予定する会合までに内部分裂しているだろう」と述べた。
イタリアのコンテ首相は、五つ星への支持が低下しても政権は揺らがないと強調した。
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