[ワシントン 30日 ロイター] - 今年の米大統領選で再選を目指すトランプ氏には過去最低の失業率や株高、経済成長持続など米経済の好調が追い風になっていたかもしれない。しかし主要州での過去の投票行動や経済トレンドの分析から、リードはほんのわずかで、民主党支持派がしっかり投票所に足を運べば覆される可能性があることが、オックスフォード・エコノミクスの調査で明らかになった。
州の経済統計や過去の投票結果を使い、各州の本選の投票動向を予測。過去のパターンが踏襲された場合、2016年に予想外にトランプ氏を支持した一部工業州は民主党支持に転じる可能性があることが分かった。
大統領選挙人でトランプ氏は現状、274人の支持を得ており、民主党候補の264人を上回っている状態。しかし、民主党候補との差は16年にヒラリー・クリントン候補に勝利した際の304人対227人から差が大きく縮小しており、逆転もすぐかもしれないという。
オックスフォード・エコノミクスの首席米エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏によると、投票率が平均的な水準だったとした場合、例えばミシガンやオハイオ、ペンシルベニアなど製造業の不振州では、カリフォルニアやニューヨークなど伝統的に民主党支持でサービス業型の州よりも、州の経済情勢の変化によって民主党候補の支持票が増える傾向が強まる。
オハイオ州とペンシルベニア州は足元の失業率がそれぞれ4.2%と4.5%。トランプ氏が自慢する全国平均の3.5%を上回っている。
1980年からの10回の大統領選のうち8回の結果から推計すると、接戦州では民主党支持派の投票率が1-4%ポイントと少し上がるだけで民主党が軒並み勝利し、トランプ氏が大敗する可能性があるという。
ただ今回の推計は、トランプ氏が支持者から高い投票率を引き出す可能性などは考慮していない。