[ブラジリア 5日 ロイター] - ブラジルの中央銀行は5日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の4.25%とした。5会合連続での利下げだが、今回の利下げ局面では最も小幅だった。
金融政策委員会は声明で「2019年7月に始まった金融緩和サイクルの効果が遅れて表れることを踏まえ、金融緩和プロセスの中断が適切と考える」とし、緩和打ち止めの用意があることを示唆した。
決定は全会一致。ロイター調査では、29人のエコノミストのうち22人が、今回の25bpの利下げを予想していた。一方、20人中17人は、向こう12カ月の金融政策は中立方向になると予想した。
通貨レアルが過去最低水準にあり、経済成長が今年加速すると見込まれる中、アナリストは追加利下げの余地は少ないとみている。
Asaバンクのディレクター、カルロス・カワル氏は「(利下げが)終わったことは明らか。今後は経済状況を見守ることになるだろう」と指摘。「今後、長期間、この金利水準が維持される可能性がある。ただ、今年の成長率が2%に届かない情勢になれば、年内にも利下げを再開するかもしれない」との見方を示した。
金融政策委の委員は、不透明感は最近強まっているが、経済は段階的な回復を続けており、新興市場の見通しは引き続き明るいと指摘。現在の金融政策は緩和的であり、正当化されるとの認識を示した。
委員会は、次の措置は経済活動とインフレリスク、特に2021年の見通し次第としている。
委員会のインフレ見通しは、前回会合からやや鈍化した。委員会は今回、為替レートを1ドル=4.25レアルと想定し、中銀の週例エコノミスト調査の金利予想を基に、今年のインフレ率を3.5%、来年は3.7%との予想を示した。
12月の会合では、インフレ予想は今年と来年ともに3.7%だった(為替レートを1ドル=4.20レアルと想定、週例エコノミスト調査の金利予想に基づく)。
一部の市場関係者は、中銀が緩和打ち止めを示唆したことについて、レアル安を意識したためではないかと指摘する。レアルは先週、1ドル=4.28レアル付近まで下落し、過去最安値に落ち込んだ。
サンパウロのある銀行のトレーディング責任者は「中銀は金利と為替を関連付けることは望まないが、懸念していることは確か。利下げ停止を示唆したのは、為替に対するコントロールを失いたくないからだ」と述べた。
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