[国連 12日 ロイター] - 米ニューヨークの国連本部を訪れたフィリピン代表部の女性外交官に12日、新型コロナウイルスの陽性反応が出た。各代表部に送付された通知で明らかになった。国連本部での感染は初となる。
ロイターが閲覧したフィリピンの国連大使代理のメッセージには、「きょう付でフィリピン代表部は封鎖された。全職員が自主隔離の指示を受け、症状が出た場合は医療施設を受診するよう指導されている。われわれは、全員が感染していることを想定している」と書かれている。
また同代理によると、この外交官が最後に国連を訪れたのは9日で、無症状の状態で30分ほど国連に滞在した。10日にインフルエンザに似た症状を訴えて受診、「きょうCOVID-19が陽性だったとの電話があった」という。
オンラインによる国連の代表部名簿では、マンハッタン5番街のフィリピン国連代表部には、12人前後の外交官がいる。
フィリピンのロクシン外相はツイッターに、感染した外交官は若く快活な人物と投稿。最近フロリダから戻ったと付け加えた。
国連のドジャリク報道官は、この外交官は国連本部で2人の外交官と面会し、国連の医療サービスが2人に連絡を取っていると説明。また発症した外交官が訪れたのは国連の会議室1カ所で、この部屋は10日以降3回清掃されていると述べた。
陽性の診断が出たのを受け、13日に予定されていた複数の会合が中止になったという。
国連は今週から本部で新型コロナ予防措置を実施。これには、外部へのアクセス遮断のほか、定期清掃を増やす、一部会議を中止するといったものが含まれている。また、通常は本部に出勤している数千人の職員の半分が、来週から在宅勤務となる。