[モスクワ/ワシントン 1日 ロイター] - ロシアは1日、新型コロナウイルス感染拡大に対応する米国を支援するため、ニューヨークの空港に軍用機で医療物資を運んだ。
ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領は今週30日、新型コロナ危機を巡り電話で会談。トランプ氏はこの際、不足する医療物資を送るというプーチン氏の申し出を受け入れた。
インタファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン氏からの「支援」の提案を「トランプ氏は感謝とともに受け入れた」と語った。
トランプ氏自身も電話会談の後にロシアの支援について熱心に語っていた。
トランプ氏とプーチン氏の親密ぶりに、民主党から批判が再燃することは必至だ。
米国務省は、首脳会談を受けて、米国はロシアから人工呼吸器や防護用品などの医療物資の「購入に合意した」と説明。到着した物資はニューヨーク市の連邦緊急事態管理庁(FEMA)当局者に引き渡されたとした。
国務省報道官は「米ロ両国は過去の危機の際に互いに人道支援を提供してきた。今後も間違いなくそうするだろう」と語った。
ワシントンの米当局者によると、ロシアから到着した人工呼吸器やマスクなど60トン分の物資は米食品医薬品局(FDA)の品質要件に適合しているか検査を受ける。
米国では新型コロナの感染者が20万5000人、死者は4500人を超えている。
一方、ロシアの公式発表では感染者は2337人、死者17人とされるが、正確さを疑問視する医療関係者もいる。
米ロ関係は、2014年のロシアによるクリミア半島編入やウクライナ東部の独立派支援を受けて米国が一部ロシア企業に制裁を発動したことなどから、近年は複雑化している。
報道によると、ロシアのペスコフ報道官は、ロシアは米国への支援にあたり、ロシアが支援を必要とする場合に米国から支援を受けることを望んでいると語った。また、米国の一部の当局者がロシアからの支援を必要以上に遅らせたと不満をこぼした。