[ニューデリー 8日 ロイター] - インド政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中小企業支援を柱とした1兆ルピー(130億ドル)規模の経済対策第2弾を向こう数日中に発表する見通しだ。政府高官2人が8日、ロイターに対し明らかにした。
インド政府は3月、3週間の全土封鎖で打撃を受ける貧困層向けに現金や食料品を直接配布する1兆7000億ルピー(226億ドル)の経済対策を発表した。
地元メディアでは、政府が近く追加対策を発表するとの憶測が広がっている。
直接事情を知る政府高官はロイターに対し、「第2弾は主に中小企業に的が絞られる可能性がある」と語った。
また、全土封鎖の影響を検証した上で、大企業向けの支援策を別途発表する可能性もあるとした。
政府の試算によると、2兆9000億ドル規模のインド経済のうち中小企業は4分の1近くを占め、5億人超を雇用する。
インドではこれまでに5274人の感染を確認し、死者は149人となっている。
全土を対象とした3週間の封鎖措置が14日に終了するのを前に、モディ首相は今週、この措置の見直しを行う。全土封鎖が景気に深刻な影響を及ぼすなか、政府内では、デリーやムンバイ、南部の一部の州などの感染状況が深刻な地域に限定して対策を強化する案が浮上している。
政府高官らによると、中小企業を対象とした支援策には、運転資金に充てる銀行融資の上限引き上げや、課税最低限の引き上げ、所得税などの納付に関する規則緩和などが含まれるとの見方を示した。
財務省報道官はコメントを控えた。
2人目の政府高官によると、政府は中小企業に対する税還付の一部を1カ月以内に行い、迅速に支援を提供することも検討している。
インド政府は8日、中小企業や個人に対し直ちに総額1800億ルピーの税を払い戻すとともに、複数の省庁で4─6月にかけて支出を抑制すると発表した。
このほか、連邦・州政府や国有企業は中小企業から購入した製品の代金が長期間未払いとなっており、こうした代金を早期に支払うよう求める声も上がっている。
インド政府は3月の議会で、連邦・州政府および国有企業が中小企業に対して負う支払い義務は660億ドルを超えると明らかにしている。