[東京 15日 ロイター] - 日本政府観光局が15日に発表した3月の訪日外国人客数は、前年同月比93.0%減の19万3700人と、過去最大の減少幅を記録した。新型コロナウイルス感染症の拡大で多くの国で渡航制限措置がとられたことから、全ての国と地域で訪日客数が大幅減少となった。前年を下回るのは6カ月連続。
会見した田端浩観光庁長官によると、3月の減少幅は1964年に統計を開始して以来最大で、総数が20万人を下回ったのは1989年2月以来。田端長官は「一刻も早い新型コロナウイルスの封じ込めに全力で取り組み、落ち着き次第、反転攻勢に転じたい」と述べた。
観光庁が同時に発表した1─3月の訪日外国人消費動向調査では、消費額が6727億円と、前年比41.6%減少した。同庁では、月次の数字は把握していない。
観光局は「新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的に旅行需要が停滞しており、感染症の推移とともに今後の市場動向を注視していく必要がある」としている。
政府は2020年に訪日外国人客を4000万人に増加させることを目標としている。この点に関し同長官は「政府の目標に向け、官民一体となり厳しい環境の中で、それを乗り越えていくよう目指して取り組んでいるところだ」と述べるにとどめた。
*内容を追加しました。
(宮崎亜巳 編集:田中志保)