[ボリナス(米カリフォルニア州) 20日 ロイター] - 米カリフォルニア州北部の町ボリナスでは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)との協力で、全ての住民を対象に新型コロナウイルスの検査を始めた。
ボリナスは、大手IT企業などが拠点を置くシリコンバレーに近いマリン郡の裕福な町で、人口は1680人。検査資金はUCSFとの協力で調達した。
UCSFの准教授で自身もボリナスの住民であるAenor Sawyer氏は、高速道路から3キロ離れた場所にあり、主要幹線道路が通っていないボリナスでは、ウイルス感染がどのように広がるかを調査することは意味があると指摘した。
「われわれはほぼ孤立した状態で、郊外にあり、ここ数週間生態系は安定している。そのため、この地域でウイルスを追跡することは非常に興味深いことだ」と述べた。
住民は町の中の4カ所で検査を受ける。コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査と、ウイルスに感染して既に抗体ができているかどうかを調べる検査をそれぞれ行う。検査費は無料。
ボリナスではウイルス感染者は確認されていない。ただ、多くの住民は60歳以上と高齢で、感染した場に重症化するなどのリスクが高い。
コロラド州のテルライドとフロリダ州のフィッシャーアイランドでも住民全員にウイルス検査を行っている。ボリナス同様、これらの町も全米でも裕福な地域。