[ロンドン 20日 ロイター] - スナク英財務相は20日、新型コロナウイルスで打撃を受けている中小企業に対する銀行融資に政府が100%の保証を付ける案について、必要との確信は持てないと述べ、否定的姿勢を示した。
新型コロナの影響で資金繰りが悪化した中小企業に対しては、政府は緊急支援策の下で融資の80%を保証しているが、残る20%について銀行は依然、審査を実施する必要がある。イングランド銀行(中央銀行)は、保証率を100%に上げれば審査を省いて迅速な融資が実施できるようになるとの考えを示してきた。
スナク氏によると、新型コロナ対応の融資保証制度の下で銀行はこれまで1万2000件の融資案件を承認しており、4月14日時点の6000件強から大幅に増えた。
同氏は「100%の保証に切り替えることが適切だとの確信は持てない」と表明。「他の国々の状況と比較する人もいるが、われわれの対応は総合的に見て、規模の観点で意義が大きい」とした。
ドイツとスイスは中小向け融資の一部に対する100%の政府保証を打ち出している。