[ワシントン 21日 ロイター] - トランプ米大統領は21日、移民の入国を一時的に停止する大統領令に22日にも署名すると表明した。永住希望者を対象に60日間適用し、その後に延長を含め再評価するとした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で失業した米国民の雇用を守るため、永住希望者を入国停止の対象とするが、米国に一時的に入国する個人は対象外という。
大統領はホワイトハウスで記者団に対し「新型ウイルスの影響で失われた米国民の職が、新たに流入した移民に取って換わられるのは間違いで不当だ。われわれはまず、米国の労働者を大切にしなければならない」と説明。
「新たな移民に関するこの停止措置は、米国市民にとって不可欠な医療資源を保護することにもつながる」と述べた。
大統領は、大統領令をさらに60日かそれ以上延長する可能性があるとした。
トランプ氏は勝利した2016年大統領選の公約に移民制限を掲げていた。今回の大統領令を巡っては、トランプ氏が新型コロナ危機に乗じて長年の政策目標を実現するための動きとの指摘や、新型コロナへの政権の対応から目をそらす狙いがあるといった批判的な見方が出ている。また、大統領令を受けて裁判が起こされる可能性もある。
米政府高官が匿名を条件に語ったところによると、就労ビザ「H1B」などの対象者については、今回の大統領令とは別の措置で対応する方針。農業関係者など新型コロナウイルスへの対応に必要と判断される人材は、大統領令の対象外になるという。
高官はまた、米経済の再開に伴い移民の流入が増加することが予想されるため、政権としては、雇用主が移民を低賃金で雇うのではなく、解雇した労働者を確実に再雇用するようにしたいと説明した。[nL3N2C91QC]
トランプ大統領は会見で、さらなる移民関連措置を検討すると述べた。
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