[ソウル 23日 ロイター] - 韓国中銀が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済み前期比で1.4%減少し、2008年以来の大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、消費や事業活動、貿易が打撃を受けた。
ロイターがまとめた市場予想の1.5%減と比べると、やや小幅なマイナスだった。昨年第4・四半期は1.3%増加していた。
韓国では1月下旬以降、新型コロナ感染拡大抑制に向け、国民に外出自粛を要請し、企業や店舗は営業を停止、従業員は自宅待機が続いている。
第1・四半期は、GDPの半分近くを占める民間消費が前期比6.4%落ち込んだ。減少幅はアジア金融危機さなかの1998年第1・四半期の13.8%以来の大きさだった。
輸出は前期比2%減。一方、建設投資は1.3%増、設備投資は0.2%増となった。
GDPは前年比では1.3%増加した。第4・四半期は2.3%増、市場予想は0.6%増だった。
中銀経済統計局の責任者、Park Yang-su氏は記者会見で、韓国経済は成長回復に向けた苦しい戦いに直面しており、今後の過程は「国内外の需要の落ち込み度合い次第」と語った。
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は政策会議で、主要な貿易相手国からの需要が急減する中で第2・四半期にはより大きなショックに備える必要があると語った。
KBバンクのエコノミスト、Moon Jung-hui氏は「輸出にとって厳しい時期は続くため、韓国経済はマイナス成長が少なくとも、もう1四半期続くだろう」と指摘。「財政支出の増加で消費は回復が見込めるが、石油化学製品を含む主要製品の輸出は厳しい」との見方を示した。
投資家は中国経済の低迷により、世界経済の成長が著しく鈍化し、韓国の主要輸出品である半導体や石油化学製品などの需要も大幅に落ち込む可能性を懸念している。
韓国経済への圧力は今後も続く見通し。ロイター調査では、今年の成長率はマイナス0.1%と予想されている。国際通貨基金(IMF)はより大幅なマイナス1.2%と見込んでいる。
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