[ニューヨーク 22日 ロイター] - イプソスがロイター向けに実施した世論調査によると、11月の米大統領選で重要州とみなされている中西部の3激戦州で、共和党のトランプ大統領が、民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領を追う展開となっている。
調査はミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア3州の登録有権者を対象に今月15─20日に実施。それによると、45%がバイデン氏を支持するとする一方、39%がトランプ氏を支持すると回答した。
また、バイデン氏の支持率のリードはミシガンで8%ポイント、ウィスコンシンで3ポイント、ペンシルベニアで6ポイントとなっている。
イプソスの世論調査によると、バイデン氏は新型コロナウイルス流行のため選挙活動や予備選挙が脇に追いやられているにもかかわらず、過去数カ月にわたり、これらの州でトランプ氏に対するリードを維持、もしくは小幅に広げている。
リアル・クリア・ポリティクスの調査結果を合わせたところによると、3州におけるバイデン氏のトランプ氏に対するリードは2月と3月に平均3─4%ポイントだった。
今回の調査ではまた、トランプ氏に対する支持が中西部で上向いていないことが示された。同氏は新型コロナ危機の連邦政府対応を指揮し、見えない敵と戦う「戦時大統領」として振舞おうとしている。
これとは別の21日付ロイター/イプソス世論調査によると、全国規模でバイデン氏はトランプ氏を8ポイントリード。バイデン氏は3週間ごとに全国規模で支持を伸ばす一方、トランプ氏の新型コロナ対応に対する不支持が広がった。
ただ、11月3日の本選挙までに何が起こるかは分からない。2016年の各州世論調査では民主党候補のヒラリー・クリントン氏がこれら同じ中西部各州で当初トランプ氏を大きくリードしていたが、選挙日にはいずれの州でも1%ポイント未満でトランプ氏に敗れた。
トランプ氏は、中西部の激戦州で依然として全国レベルをやや上回る人気を得ている。これは一部のブルーカラー白人有権者に同氏の訴えが受け入れられていることなどが背景にある。
ただ、イプソスの世論調査によると、全3州でトランプ氏の不支持率が支持率を上回っている。ミシガンでは支持率44%・不支持率56%、ウィスコンシンでは支持率47%・不支持率53%、ペンシルベニアでは支持率48%・不支持率52%。
全3州の住民にとって断トツの懸念項目となっている新型コロナを巡っては、米政府の対応に関する質問に対し、3州の有権者の約47%はトランプ大統領の手法を支持。各州知事の危機対応への支持率67%を下回っている。
イプソスの世論調査はミシガンの登録有権者612人、ウィスコンシンの同645人、ペンシルベニアの同578人を対象にオンラインで実施。許容誤差は地域全体がプラスマイナス3%ポイント、各州が同5ポイント。