[北京 12日 ロイター] - 中国は、米国との「第1段階」通商合意にコミットしており、新型コロナウイルスの影響によって購入ペースは鈍化しているものの、米国からの輸入拡大達成に向け取り組んでいると、複数の中国政府関係者が12日、ロイターに述べた。
1月に調印された第1段階の米中通商合意では、米国が中国製品に対する関税を段階的に引き下げる一方、中国は少なくとも2000億ドル相当の米国の財・サービスを追加的に購入することに同意した。
ただ中国の米国からの財の輸入は4月にドル建てで前年比11.1%減少。新型コロナの感染拡大により国内需要が低迷していることが重しとなっている。
中国政府関係者によると、第1段階の通商合意履行に向け中国当局者による協議がここ数カ月で複数回開催されたという。
関係者の1人は「米中が同じ前向きな方向で取り組んでいるのなら、購入が合意内容に到達できなかった月があっても他の月で賄うことが可能」と指摘。「1回の取引で達成できるものではない。新型コロナの感染拡大によって引き起こされた困難な状況も考慮されるべき」と述べた。
中国共産党系メディアの環球時報が11日、第1段階通商合意を巡り、国内の交渉担当者らから見直しを求める声が上がっていると報じたが、当局者の1人は第1段階通商合意を破棄し、新たな合意に向け交渉を再開する可能性は高くないとし、「少なくとも現時点では米中間のやり取りでこのような話は出ていない」と述べた。
政府当局者に近しい関係者は、中国での新型コロナの感染拡大が抑制されていることを考慮すると、中国の輸入は次第に増加し、不足分を取り戻すだろうと語った。
中国の財務省および商務省からのコメントは現時点で得られていない。