[シンガポール 18日 ロイター] - 18日アジア時間の原油先物相場は、1ドル超の上昇。産油国の協調減産が支援材料となっているほか、新型コロナウイルス対策として導入していた移動制限を緩和する国が増えており、燃料需要が緩やかに回復するとの見方が出ている。
北海ブレント先物 (LCOc1)は1.34ドル(4.1%)高の1バレル=33.84ドルと、4月13日以来の高値。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物 (CLc1)は1.40ドル(4.8%)高の30.83ドルと、3月16日以来の高値となっている。
WTI先物6月限は、19日が最終取引日。5月限は最終取引日直前に史上初のマイナス価格に急落したが、今回は需要回復への期待が出ており、急落の兆候は見られない。
エネルギーサービス会社、ベーカー・ヒューズが発表した5月15日までの週の米国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は、統計開始以来の低水準を2週連続で記録した。
こうした統計などを受けて、WTI原油の受け渡し拠点となっている米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵余地に対する懸念が後退している。
シカゴ・マーカンタイル取引所、ブローカー、米最大の原油上場取引金融商品(ETP)「ザ・ユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンド(USO)」 (P:USO)はいずれも、WTIが最終取引日を迎える前に建玉を減らす措置を講じている。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「新型コロナウイルス(感染)の第2波が起きないと想定した場合、経済は今年下期を通じて着実に回復するだろう」と述べたことも好感されている。
石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による「OPECプラス」の協調減産やサウジアラビアの追加減産も支援材料。
複数の関係筋によると、OPECプラスは6月以降も現行水準の協調減産を継続する意向。
クウェートのアルライ紙は15日、同国とサウジアラビアが共同運営するカフジ油田について6月の生産停止で合意した報じた。