[エルサレム 24日 ロイター] - 収賄、詐欺、背任の罪で起訴されたイスラエルのネタニヤフ首相の初公判がエルサレムの地裁で開かれ、首相が出廷した。同国初の現職首相の裁判を前に、同氏は裁判所内のテレビカメラを通じて身の潔白を世論に訴えた。
ネタニヤフ氏は1週間前に5期目に就任し、昨年4月以降、3回の総選挙を経て続いてきた政治の迷走にようやく終止符が打たれた。新政権はネタニヤフ氏が率いる右派「リクード」とガンツ元軍参謀総長が党首の中道「青と白」が2本の支柱となる。
ネタニヤフ氏(70)は11月に、資産家の友人からギフトを違法に受け取ったほか、大手通信企業に便宜を図り、見返りとして関連ニュースサイトでの自身と夫人の好意的な取り扱いを求めた疑いで起訴された。同氏は自身の退陣を狙った左派の陰謀だと主張している。
この日の公判は1時間で終わった。新型コロナウイルス感染を防止するため、ネタニヤフ氏や判事はマスクを着用した。裁判所は7月19日に予定される次回の審理にネタニヤフ氏の出廷の必要はないとした。
イスラエルのアナリストらは、裁判は数カ月あるいは数年続く可能性があると指摘する。
ネタニヤフ氏は公判前に裁判所内でテレビカメラに向かい「今回の捜査は当初から腐敗し、でっち上げだった。あなたがたの首相として堂々と裁判に臨む」と述べた。