[ロンドン 26日 ロイター] - 英スコットランド省のダグラス・ロス閣外相は26日、ロックダウン(都市封鎖)中の移動を巡るジョンソン英首相側近の説明は多くの人にとって「通用しない」と述べ、辞任した。
首相側近のドミニク・カミングス上級顧問は25日、ロックダウン中に妻と4歳の息子を伴って400キロ離れた親類宅を訪問していたことの責任を取って辞任はしないと表明した。
カミングス氏は記者会見で、ジョンソン首相が新型ウイルス検査で陽性反応を示したと判明した直後にダラムを訪問したと表明。当時、妻の具合はすでに悪く、自身にも症状が表れた場合、息子の世話ができる人がいなくなると考え、父親が保有する農場で自主隔離することにしたと説明していた。
ロス閣外相は書簡の中で、「家族にとって最善の利益だと考えた」とするカミングス氏の説明を受け入れるとしつつ、「これはその他多くの人々が自身には通用しないと感じた決定だ」と指摘。自身の地元には政府の指針に従ったために愛する人に別れの挨拶をする機会などがなかった有権者がいるとした上で、「私は彼らに全くの間違いであり、政府の上級顧問が正しかったと誠意を持って伝えることはできない」と述べた。
政府報道官は「首相はダグラス・ロス氏の働きに感謝するとともに、辞任の決断を残念だと思っている」と述べた。