[バンクーバー/トロント 27日 ロイター] - 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟被告(48)の米国への身柄引き渡しを巡る裁判で、カナダのブリティッシュコロンビア州の上位裁判所は27日、被告の主張を退ける判決を下した。
孟被告は2018年12月、イラン制裁問題に絡む銀行詐欺容疑を主張する米国側の要請に基づき、カナダで拘束された。
第1段階の公判で被告側は、カナダ政府が身柄引き渡しに向けた手続きの開始を承認した段階でカナダがイランに制裁を発動していなかった以上、拘束に法的根拠はなく、引き渡しの根拠となる行為が請求国、被請求国ともに犯罪と定められていることを表す「双罰性」の要件を満たしていないと主張した。
これに対し、ヘザー・ホルムズ判事は、双罰性要件は満たしているとして孟被告の主張を退けた上で、「被告の主張を認めた場合、身柄引き渡しに関する国際義務の遂行を著しく制限することになる」と判断した。
判決を受け、孟被告の身柄引き渡しを巡る裁判は今後、第2段階に移行する可能性がある。その場合、公判は6月から9月下旬もしくは10月上旬にかけて行われ、孟被告の拘束中、カナダ当局が法律を順守したかどうかが争点となる見通し。
ファーウェイは、判決に失望したが、最終的にはカナダの司法制度により孟氏の潔白が証明されるものと期待しているとのコメントを発表した。
中国共産党系メディアの環球時報は「カナダは哀れな笑い者と化し、中米対立の火の粉をかぶることになる」と論評。オタワの中国大使館は、判決に対する強い不満を表明した。
米司法省はカナダによる支援継続に感謝の意を示した。カナダ司法省はできるだけ迅速に手続きを進めるとした。
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