[ソウル 28日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は28日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の0.50%とした。利下げは今年2度目で、全会一致の決定だった。
25bp利下げは市場の予想通りだった。
中銀は今回、今年の経済成長率見通しを2月時点の2.1%からマイナス0.2%に下方修正。これは1998年のアジア通貨危機以来、最悪の水準。
今年のインフレ率見通しについては0.3%とし、従来見通しの1.0%から引き下げた。
中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は会見で、国債買い入れを拡大する用意があると表明。「長期債利回りの変動が大きくなる場合、市場の安定化に向けて積極的に国債を買い入れる」と語った。
総裁はまた、「利下げによって、現在の政策金利は実効下限に近接している」と発言。追加緩和の必要性については言及を避けたが、一部のアナリストは緩和サイクルが終了した可能性があると受け止めている。
韓国中銀は政府と一体となって、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた企業への流動性供給を行っている。中銀は3月に50bpの緊急利下げを実施、6月まで無制限の資金供給オペを行うと発表。
政府は新型コロナ対応として245兆ウォン(1979億ドル)規模の景気対策を打ち出し、第3次補正予算も用意している。
市場では、中銀が成長率見通しを引き下げ、李総裁が国債買い入れ拡大を示唆したことを受け、国債先物が上昇。3年債先物(6月限)
メリッツ証券の債券ストラテジスト、Yoon Yeo-sam氏は「中銀は、マイナス成長見通しさえ示し、できることをすべてした。きょうの利下げで、0.25%への追加利下げ観測が浮上している」と語った。
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