[台北 28日 ロイター] - 台湾は28日、中国全国人民代表大会(全人代)が「香港国家安全法」の制定方針を採択したことを受け、香港から政治的な理由で台湾に移住する人を受け入れる方針を示した。
台湾は香港からの移住者に職業支援などを行うと表明。台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は他の国に先立ち、香港国家安全法を理由に香港から海外に移住する人に対する支援を表明した。
台湾の対中国政策を所管する大陸委員会の陳明通主任委員は議会で、活動団体などと協力して雇用を含む「人道支援」を提供するための組織を編成すると表明。「香港から台湾への移住を望んでいる人は多い。こうした人達への支援を目的としている」と述べた。また、香港からの移住者を「難民」と呼ばないよう求めた。
支援実施のタイミングなどの詳細については、現在策定作業が行われているとして明らかにしなかった。
中国は「暴力的な一派を受け入れることは、台湾の人々に災厄をもたらす」として、台湾が示した方針を非難した。
公式統計によると、香港から台湾に移住した人の数は今年1─4月に前年比150%増。香港からの台湾の大学への入学申請件数も62%増加した。台湾の教育当局は今週、香港からの学生に対する割当枠の拡大を計画していることを明らかにした。