[ワシントン 2日 ロイター] - 米首都ワシントンで1日に行われた抗議活動について、トランプ氏がホワイトハウスの中庭で演説する直前にバー司法長官が警察に対し、ホワイトハウス横ラファイエット広場にいるデモ隊を追い払うよう直々に要請していた。米紙ワシント・ポストが司法省当局者の話として報じた。
トランプ氏は中庭のローズガーデンで短く演説した後、厳重な警備の下、ホワイトハウスを歩いて出てラファイエット広場を通過し、近くにあるセントジョンズ教会を訪問。そこで聖書を手にして写真撮影を行った。バー氏や他の要人も同行した。同教会は5月31日夜のデモで放火の被害に遭っていた。
同紙によると、バー氏は1日午後、トランプ氏の演説前にラファイエット広場を訪れた際、ホワイトハウス周辺の警備範囲を拡大するという決定が実行されていないことに気づき、警察に対応を要請したという。法執行当局の2人の関係者は、警備範囲拡大の決定は31日遅くあるいは1日早くに下されたと同紙に語った。
ロイターの写真記者などは、トランプ氏がローズガーデンで演説を行ったのとほぼ同時刻に、警察当局がラファイエット広場などホワイトハウス周辺で平和的なデモ隊に催涙ガスとゴム弾を発射し、排除に乗り出したと明らかにしている。
司法省の報道官はコメントの求めに応じていない。
米国では中西部ミネソタ州で発生した白人警官の暴行による黒人男性死亡事件を受けた抗議活動が全国に広がっている。