[チューリヒ 3日 ロイター] - スイス経済省経済管理局(SECO)が発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)は、前期比2.6%減少、前年比1.3%減少した。新型コロナウイルスの世界的流行で生産が落ち込んだ。
エコノミストの予想は前期比2.0%減、前年比0.9%減だった。
感染防止のための規制や事業の停止でサービス業が大打撃を受けた。SECOは、歴史的な落ち込みを記録した分野として、貿易(4.4%減)と、3月初め以降の外国人訪問数減少に苦しんでいる宿泊・食品サービス(23.4%減)を挙げた。
航空機の運航停止などを背景に輸送・通信は過去30年で最大の減少。ヘルスケア部門も、一部医療措置の休止で3.9%減と記録的な減少となった。
GDPを下支えしたのは公共部門と金融。金融は対外貿易拡大が恩恵となった。しかし、サービス貿易は減少した。
個人消費は様々な項目で減少。店舗閉鎖の影響で家具や衣料の購入が減少した。
建設や設備への投資が減少し、最終国内需要は2.7%減と数十年ぶりの減少率。
機械、金属、精密機械、時計の製造は輸出市場のまひで打撃を受け、製造業は、2015年のスイスフランショック以来の大幅な落ち込みとなった。
財輸出は、化学や医薬品が好調だった。財輸入は、内需の低迷を受けて減少した。
政府は4月に示した成長率予想は、今年が1975年以来、最悪となるマイナス6.7%、2021年はプラス5.2%。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200603T075517+0000