[バンコク 4日 ロイター] - タイ中央銀行は4日、5月20日の金融政策委員会の議事要旨を公表した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、今年の国内総生産(GDP)は予想以上に減少し、雇用市場の見通しも大幅に悪化するとの認識を示した。
同中銀は5月の金融政策委員会で、主要政策金利の翌日物レポ金利
議事要旨によると、中銀はバーツが上昇して景気回復を妨げる可能性に懸念を表明。市場の動向を注意深く監視していく方針を示した。
「委員会は金の輸出によるバーツへの圧力緩和に向けた措置を検討する」という。
中銀は1日、バーツの急激な上昇を抑制する措置を講じる用意があると表明した。
4日には輸出業者や外国為替トレーダーとバーツについて協議する。
中銀は3月、今年のGDPが5.3%減少し、1997─98年のアジア通貨危機以来の大幅な落ち込みになると予想した。新たな見通しは6月24日の次回会合で示される。
5月会合の議事要旨は、雇用を巡る懸念にも言及。大幅な状況悪化を見込み、正常化には長い時間がかかると指摘した。
「一部の労働者は(ウイルス)封じ込め期間に一時的に失業するかもしれないが、破産による閉業や需要低迷によるレイオフ、自動化の拡充で恒久的に職を失う人も出る可能性がある」とし、弱い雇用見通しは景気回復を遅らせ、長期的な潜在成長率を押し下げ、「危機後も長期にわたり経済に傷」を残すとした。