[ロンドン 8日 ロイター] - 欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は8日、欧州連合(EU)に対し、鉄鋼製品の輸入枠を大幅に削減するよう求めた。海外からの製品が大量に流入すれば、新型コロナウイルス感染拡大で既に打撃を受けている同業界がさらなる痛手を負うと警告した。
EUROFERは声明で、EUが2018年に導入した緊急輸入制限(セーフガード)に関して最近提案された変更を批判。セーフガードは米国による鉄鋼への25%の追加関税発動を受け、米国市場から締め出された製品が欧州市場に大量流入するのを阻止するために導入された。
声明は「欧州委員会の鉄鋼セーフガード見直し案は需要の急減を考慮していないため、欧州鉄鋼業界の生き残りはさらなる深刻なリスクにさらされている」とした。
そのうえで、状況の変化を踏まえ、輸入枠を「大幅削減」するよう要求。「無関税輸入枠に実際の市場の状況を反映させるよう」求めた。
EUROFERによると、鉄鋼需要は3月以降半減しており、域内の鉄鋼業界の従業員の40%が解雇されるかパートタイムで勤務しているという。
セーフガードはステンレス製品を含む鉄鋼関連26品目について、2015─17年の平均輸入量の105%は無関税で輸入し、これを超えた場合は25%の関税を課す。昨年は無関税輸入枠を3%拡大した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200609T020440+0000