[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した4月の貿易統計によると、輸出と輸入が1990年以降で最大の落ち込みを記録した。新型コロナウイルス危機で需要が減少した。
新型コロナウイルス危機で需要が減少した。エコノミストの間では、第2・四半期のドイツ経済が戦後最大のマイナス成長になるとの見方が多い。
4月の輸出は前月比(季節調整済み)で24.0%減。輸入は16.5%減。貿易黒字は32億ユーロに縮小した。
ロイターがまとめた市場予想は、輸出が15.6%減、輸入が16.0%減、貿易黒字が100億ユーロだった。
バンクハウス・ランペのエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は、ロックダウン(都市封鎖)の緩和や国境の閉鎖解除で、景気回復がすでに始まっている可能性はあるが、過去10年の輸出ブームの面影はないと指摘。
「コロナの谷からの脱却の道は長く、険しく、そして何よりも不透明なものになるだろう。特に対外貿易はそうだ」と述べた。
ドイツ政府は今年の経済成長率がマイナス6.3%になると予想している。
エコノミストは緩やかな景気回復を予想。回復ペースは、他の欧州経済や中国や米国といった主要貿易相手国の経済動向に左右されると指摘している。
国別では、新型コロナで大きな打撃を受けているフランス、米国向けの輸出が大きく減少。対中輸出の減少ペースはやや鈍化した。