[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は9日、2020年の米原油生産について、日量67万バレル減の同1156万バレルになるとの見通しを示した。掘削活動が縮小される中、従来予想の日量54万バレル減よりも大幅な落ち込みを予想した。
米国の石油や他の液体燃料の消費量は20年に日量240万バレル減少し、1806万バレルになると予想。従来予想では同219万バレル減としていた。
原油価格は今年、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を受けた渡航制限などで世界的な需要が減退し、暴落した。
EIAは20年の世界の石油消費については日量830万バレル減の9253万バレルを見込んでいる。従来予想は日量815万バレル減だった。
ただ、各国で新型コロナの感染拡大を防止するためのロックダウン(都市封鎖)措置が緩和される中、世界の需要は上向き始めている。
EIAのリンダ・カプアノ氏は発表文書で「初期のデータは、世界の原油市場がEIAのこれまでの予想よりも速いペースで均衡を取り戻しつつあることを示している」と指摘。
「6月の世界の原油生産がこれまでの予想以上に落ち込み、世界の石油需要も予想を上回ることから、われわれは(世界の原油)在庫が6月に減少し始めるとみている」と述べた。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は4月、日量970万バレルの減産を5─6月に実施することで合意。今月6日に開いた会合では、現行水準での協調減産を7月末まで延長することで合意した。[nL4N2DK004]
北米の生産会社も減産しており、米石油掘削リグ稼働数は過去最低に落ち込んでいる。[nL4N2DJ003]
EIAは米原油生産について、減少が続き2021年3月には日量1060万バレルに落ち込むと予想。その後は21年末までにやや増加するとしている。
米石油需要は、21年に日量140万バレル増の1946万バレルになる見通し。従来予想は日量145万バレル増だった。