[ワシントン 11日 ロイター] - 米上院軍事委員会は11日、2021年度の国防予算の大枠を定める総額7400億ドルの国防権限法(NDAA)案を公表した。中国との競争を念頭に置いた措置や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応などが盛り込まれた。
同法案では、インド太平洋地域における軍事上の競争に特化する「太平洋抑止イニシアチブ」を創設し、約70億ドルの資金を振り向ける。
新型コロナ危機によって中国企業への依存が浮き彫りとなったことを踏まえ、米国のサプライチェーン強化に向けた措置が盛り込まれるほか、中国とのミサイル防衛システム統合に関する制限を拡大する。
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の技術利用に伴うリスクに関する新たな調査報告も要求する。
パンデミックへの対応強化では、ワクチンやバイオテクノロジー研究に4400万ドルの資金を充てる。
そのほか、総額91億ドルのロッキード・マーチン (N:LMT)製の最新鋭ステルス戦闘機「F35」95機の購入を承認する。
また、全米で拡大する白人警官による黒人男性暴行死に対する抗議デモを踏まえ、平和的なデモに軍を動員することを禁じる措置も盛り込まれる。
上院軍事委は同法案を賛成25反対2の賛成多数で承認。下院案とのすり合わせを待ち、上下両院本会議での可決、大統領の署名によって成立する。